Lycaons Jr. の指導方針

2023年10月よりスタートした『Lycaons Jr.(リカオンズジュニア)』ですが、保護者の皆様やクラスへのご参加・ご入会をご検討中の皆様に向けてのご説明だったり、普段のクラスの様子その他、お伝えしたいことをこちらのブログにて発信して参りたいと思います。

クラス中なかなか写真が撮れないので、写真等が少なめ・文章多めの楽しくない感じになりがちですが、ちょっと真面目気味テイストをご理解頂けますと幸いです(笑)

まずは掲題の通りLycaons Jr.の指導方針ということで、私スガワラが大切にしていることやクラスの意義など、根幹部分をいくつか取り上げてみたいと思います。

[1] 永く陸上を楽しむための礎になるような楽しいクラス。

ときには街に出たりも

スポーツというのはある程度、様々な苦しさや辛さに耐えなけえれば強くはなれないものだと思います。

しかし、そういった苦しさや辛さというのは「楽しさ」を知っているからこそ乗り越えられるものでしょう。

そしてそれを乗り越えた先に更に大きな喜びがあることを、競技レベルが上がるにつれて徐々に味わえるようになることで末永くそのスポーツを楽しめるものではないかと私は考えます。

ジュニアの年代では、まずは辛いこと、キツいことよりも「楽しい」ことをたくさん伝えてあげたいと、まずは一番にそれを大切にしています。

「好きこそものの上手なれ」

大好きなことにのめり込む中でこそ自ら成長する力が養われるものだと思いますし、そうやって自分自身で考えて壁を乗り越えて行くことでしか得られない物事があると思います。

その場限り、その年代の中だけで強くなることよりも常にもっと先を見て、子どもたち一人一人の可能性を大切に育てて行きたいと考えております。

[2] 種目専門化はしない。が、ただの遊びにもしない、「陸上」の教室。

U-12クラスではなるべく多くの種目や動きを取り入れています

様々な研究(※1)でも明らかにされているように、スポーツ種目の早期専門化は伸びしろを奪ってしまうと考えられています。
また私自身の経験則でも、早期から種目を絞って練習を続けてきたアスリートは成長のピークが早かったり怪我をしやすかったりという印象が強くあります。

そのため特に小学生年代に於いては種目の専門化を最小限にしつつ、且つもちろんどちらかと言うと短距離が得意とか長距離が得意という得手不得手の意識も否定せず、練習は総合的に、試合は出たいものに、と考えています。

またやはり練習だけでなく試合に出ることでしか得られない喜び、悔しさ、緊張などなど、そういった様々な感情を経験することもまたスポーツでしか得られない醍醐味の一つであるとも思うので、試合にも積極的に参加してもらえるように後押しして行きたいと考えています。

お恥ずかしい話、私自身選手としての経験が無い分「勝つこと」そして「負けること」を自分自身で経験出来なかったことは、今でも強く悔やんでいます。

勝つことで得られる自信や自己肯定感、そして祝福される経験みたいなものは、アイデンティティ形成に大きな意味を持つと思いますし、逆に負けたときに感じる他者と比較して劣っている自分を受け入れることや、比較しすぎることの無意味さみたいなものもまた、スポーツが与えてくれる大きな財産ではないかと私は思っています。

中学生以降でも、本音を言えば高校生くらいまでは幅広い種目に挑戦する中で色々な意味での可能性とポテンシャルを伸ばして欲しいという気持ちも強くありますが、少しずつ種目を専門化する中でそのための幅広い練習に取り組むというスタイルで伸び続ける下地を作れたらと考えています。

そういった基礎を養うためには「スポーツ」ではなく遊びを取り入れながらという考え方もあると思いますし、Lycaons Jr. でも練習の中に遊びも散りばめながらではありますが、基本的にはあくまでも「陸上競技」の様々な種目を通して基礎を養って行きたいと思っています。

その理由としてまずは上記[1]でも挙げたように、「陸上が楽しい!」と思ってもらえる子を増やしたいという想いがまずは第一にあるからです。

これは強化の面だけでなく普及という面でも、我々リカオンズが担うべき「陸上ファンを増やす」というミッションの達成に向けてこだわって行きたいポイントです。

それでは陸上競技という種目に絞り過ぎて可能性を狭めることになるのではないかということになりますが、上記文献(※1)の中でも触れられていますが、様々なスポーツや身体活動に触れ合うだけでなく、ある特定のスポーツ種目の中でも年代や環境に応じて練習方法のバリエーションを広げることでシニア期まで活躍し続けることが出来るという解釈もあり、それ故我々指導者の工夫次第で「陸上にこだわたった非専門化」が達成出来るものと考えています。

[3] 競技力育成だけの場ではなく、様々な意味での子どもたちの可能性を伸ばし、生きてゆく上で必要な様々なことに触れ合える場。

夏合宿では、スガワラの教え子が特別コーチとして来てくれました

私の高校の恩師の言葉ですが、

「人は人でしか変われない」

という言葉を私は座右の銘のようにして大切にしています。

指導者としての私との出会いもそうですし、陸上をやっていなかったら出会えていなかった子とのクラスの中での出会いや、学年が上がるにつれて進路その他の悩み等も出てくるであろう中で、私の身の回りの素晴らしい友人知人を紹介することもあるかもしれません。

指導内容もそうですが、それ以上にそういった出会いのひとつひとつが、Lycaons Jr. を選んでくれた子たちやその親御さんたちにとってのプラスになればいいなと思いながら日々過ごしております。

また、スポーツをやっていなければ、陸上をやっていなければ感じられないような辛いこともたくさんあると思います。

スポーツには、そういった日々のつまずきからどうしたら前へ進めるかを考えるための学びやヒントがたくさん詰まっていると思います。

競技面での成長だけでなく、トータルで見たときに「陸上やっててよかった〜!」と言える子を育てたいと願っています。

【引用】

※1 伊藤静夫(2018) 陸上競技青少年育成モデルを再考する – 身体リテラシー育成との関連から日本小学校陸上を展望 – .陸上競技研究紀要,14:4-11.

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